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Facebook広告のITP対策「合算イベント設定」の方法

2021年4月末、Apple社が実施しているITP(個人情報保護のためのサイトトラッキング抑止機能)にて、iOS14.5でアップデートがありました。

ITPは2017年9月に初めて、Appleのブラウザ「safari」でiOS11の発表と同時に実装された機能です。それ以降、現在までアップデートが何度も繰り返されてきました。

今回のiOS14.5のリリースでは、Appleが「トラッキング」であると定義する動作を行うApp Storeのアプリが制限対象になっており、トラッキングを行う場合はユーザー自身の許可を求めることが義務化されました。

本ブログでは、これらのアップデートがFacebook広告に与える影響とFacebook広告のITP対策である「合算イベント設定」についてご紹介させていただきます。

iOS14.5がFacebook広告に与える影響とは?

今回のiOSのアップデートにて、アプリでユーザーをトラッキングする場合はオプトイン実施が必須となっています。

Facebookなどのアプリ開発企業は「〇〇(アプリ名)が他社のAppやWebサイトを横断してあなたのアクティビティの追跡することを許可しますか?」と表示する必要があり、追跡を許可したユーザーに限りトラッキング可能となります。

よって、FacebookやInstagramでトラッキングを許可しないユーザーが今後増加した場合、アプリとウェブのコンバージョンイベントの計測や、広告のパーソナライゼーションパフォーマンスのレポートにおいて制限がかかります。

具体的には、イベントタグで計測している購入完了(Purchase)やカート追加(Add to cart)の減少や、カスタムオーディエンスリストの縮小、レポートの遅延や一部データの閲覧制限などが発生する可能性があります。

それらの影響を最小限に抑えるためのITP対策として、「合算イベント測定」の設定をFacebook広告では推奨しています。

参考:AppleのiOS 14リリースが広告やレポートに及ぼしうる影響|Facebookビジネスヘルプセンター

「合算イベント測定」とは?

ドメイン単位で計測できるイベント数を8つに上限を設けることで、ユーザーのプライバシーを守りながら、効果的な広告配信ができるようになるというものです。

「合算イベント測定」を行うためには、事前に「ドメイン認証」が必要となるため、ドメイン認証の設定方法からご紹介します。
もうすでにドメイン認証が終えている方は、こちらより合算イベント測定の設定を行って下さい。

「ドメイン認証」の方法

ドメイン認証とは、Facebookビジネスマネージャーでドメインの所有権を取得することです。
それにより、「第三者によるドメインの不正利用や偽情報の拡散を防ぐこと」や「オーガニック・広告を問わず、すべてのリンク付き投稿において、コメント部分以外(サムネイル画像/リンクの見出し/リンク先の概要/表示されるURL)の編集を行えるようにすること」ができます。

ビジネスマネージャーへのドメイン追加方法

ビジネスマネージャーでドメインを追加する方法は、下記の①~⑤の手順のように、Facebookビジネスマネージャーの「ブランドセーフティ > ドメイン」を選択し、追加ボタンをクリックすることで可能です。

上記作業を行うとビジネスマネージャーに未承認状態でドメインが追加されます。

次は、ドメインの認証を行っていきます。認証方法は3つあります。

【ドメイン認証方法】
1.メタタグによる認証
2.HTMLファイルアップロード
3.DNS認証

今回は、「メタタグによる認証」と「HTMLファイルアップロードによる認証」について紹介します。DNS認証については、やや複雑かつ時間がかるため、割愛します。

メタタグによる認証方式

① 赤枠内の「meta name」のタグをコピー。
 ※必ず<>を含めてコピーする必要があります。

② ①でコピーしたメタタグをサイト内の</head>の真上に貼り付けます。

③ ドメインにアクセスし、右クリックを押し、「 ページのソースを表示」を選択し、HTMLソース内にメタタグがあるかを確認します。

④ 確認完了後、「認証する」を押します。

こちらで、「メタタグ」によるドメイン認証は完了です。

HTMLファイルアップロードによる認証方法

①-② HTML verification fileをクリックし、ダウンロードしたHTMLファイルを保存します。
 ※その際、ファイル名は変更しないように注意します。

③ ファイルを「ドメイン」のルートディレクトリの直下にアップロードします。
FTPソフトなどを使用し、ドメイン直下にアップロードしましょう。
もし、分からない場合は、サイトの管理者や編集権限を持っている方へのご依頼をおすすめします。

④ 青色のURLにアクセスし、アップロードは完了しているかを確認します。
 完了していない場合はエラーが表示されます。

⑤ アップロード完了後、「認証する」を押します。

こちらで、「HTMLファイルアップロード」による認証は完了です。

Facebookページをドメインと紐づけるには?

ドメイン認証完了後、Facebookページにドメインを紐づける必要があります。
※複数のFacebookページを所有している場合は、それぞれに同様の作業が必要です。

①-② 認証したドメインを選択し、「アセットを追加」を押します。

③ドメインを紐づけるFacebookページを選択します。
 ※Facebookページを複数所有している場合は、それぞれをにチェックを入れます。
④「追加」を押すと、Facebookページの紐づけは完了します。

広告代理店経由でFacebook広告を配信している場合は?

広告代理店経由でFacebook広告を配信している場合、代理店にもドメインを共有する必要があります。

①-② 認証したドメインを選択し、「パートナーの割り当て」を押します。

③ドメインを紐づける代理店のビジネスID(ビジネスマネージャーのID)を入力します。
 
④「次へ」を押します。

これでドメインの共有は完了です。

「合算イベント測定」の設定方法

では合算イベント測定の設定を行っていきます。

①-② ビジネスマネージャー内の画面右上「ビジネスツール」をクリックし、「イベントマネージャー」を選択します。

③-④「合算イベント測定」のタブを選択し、「ウェブイベントの設定」を行います。

⑤-⑥ ドメイン認証を行った対象のドメインの「認証済みドメイン」をクリックし、「イベントを管理」を押します。

⑦右上に表示されている「イベントの追加」を押します。

⑧測定したい「ピクセル/カスタムコンバージョン」を選択し「イベント」を選択します。
 イベントは「購入」や「問い合わせ」などから選択可能ですので、広告配信の目的に合ったものを選択をします。
 ※コンバージョンイベントを複数計測する必要ある場合は、優先順位に応じて、適宜イベントを並び替える必要があります。

⑨完了したら、画面右下の「送信」ボタンを押します。

こちらにて合算イベント測定の設定は終了です。

最後に

今後、Facebook広告でコンバージョンイベントの計測を行う場合には、「合算イベント測定の設定」は必須です。これらの未設定が原因でパフォーマンスが悪化してしまうのは非常にもったいないことだと思います。まだ設定できていない場合は早急に対応しておきましょう。